ワインとチーズの組み合わせで認知機能がアップ

赤ワインとチーズ

  

みなさま、ワインに合うツマミとして何を思い浮かべますか?

私はチーズです!

おいしいだけではなく、脳の認知機能アップ効果があるとは、ワイン好きにとってうれしいですね!

ワインの中でも、レスベラトロールという成分を含む 赤ワインとの組み合わせに注目です。

目次

赤ワインに含まれるレスベラトロールに認知症予防効果

赤ワインに含まれるレスベラトロールという成分に、長寿遺伝子を活性化させるという研究結果が報告されて話題になりました。

レスベラトロールとは

ポリフェノールの一種で植物ベースの栄養素で1939年に発見されました。身近な食品ではブドウの他、ベリー系フルーツ、ナッツ類、ダークチョコレートに含まれます。ブドウを皮のまま使う赤ワインにレスベラトロールは含まれ、白ワインには含まれていないそうです。

レスベラトロールは抗酸化作用があり、細胞や細胞の成分を酸化させるダメージから保護する他、内臓燃焼作用も発見され研究が進められています。

2015年に発表された米国ジョージタウン大学の研究グループの報告では、認知症の発症に関連する「アミロイドβ40タンパク質」の減少に効果があるとのことです。

  

赤ワイン

フレンチパラドックス

レスベラトロールが注目を集めたきっかけになったのは「フレンチ・パラドックス」です。

「フレンチ・パラドックス」を日本語に訳すと「フランスの逆説」です。

フランス人は肉や乳製品をよくとるが、健康寿命が長いことに着目したフランスの科学者、セルジュ・ルノー博士が、フランス人がたくさん飲んでいる赤ワインとの関連について研究しました。

その結果、赤ワインに含まれるポリフェノールに抗酸化作用や脂肪燃焼、血流改善などの効果があり、中でもレスベラトロールは強力な抗酸化佐藤とサーチュイン遺伝子に直接働きかける、長寿の成分と報告しました。

この研究をきっかけに世界のワインブームは加速したと言われています。

ポリフェノールとは「Poly(たくさんの)」+「Phenol(有機化合物)」で、1つの分子内に複数のフェノール基を含む植物成分の総称です。

※サーチュイン遺伝子は長寿遺伝子とも呼ばれており、細胞の老化を遅らせ、若さを保つ働きがある遺伝子です。

チーズがシニアにおすすめの理由

カマンベールチーズ

チーズはタンパク質を多く含む栄養価の高い食品として知られていますが、カルシウムも豊富で骨粗鬆症の予防につながり、含まれるビタミンの中でも特にビタミンB12は神経細胞の代謝に有効です。

食品メーカーキリンの研究チームはカマンベールチーズから、記憶機能改善効果のある成分「βラクトペプチド」を発見し、アルツハイマー病の予防効果があることを発表しました。

引用 キリンヘルスサイエンス研究HP

【チーズの栄養素 100gあたり】

カマンベールモッツアレラ1食あたりの目安ケトジェニック
カロリー310kcal280kcal536〜751g2,000kcal(1日)
タンパク質19.1g18.4g15〜34g150g
炭水化物0.9g4.2g75〜105g50g
脂質25g19.9g13〜20g133g
ナトリウム800mg16mg< 1,000mg
カリウム120mg95mg833mg
カルシウム460mg330mg221mg
ビタミンB121.3 μg1.6 μg0.8 μg

引用 食品成分データベースHP  

ワインとチーズで認知機能の低下を防ぐ

米国アイオワ州立大学の食品科学部門、主任研究員 Auriel Willette氏と神経科学博士課程候補者 Brandon Klinedinst氏は、

「赤ワインとチーズを多く含む食事をしているシニア層は、摂取しないシニア層よりも認知機能の低下が低いようだ」

というレポートを『Journal of Alzheimer’sDiseaseの2020年11月号』で発表しました。

流動性知能に注目

流動性知能は新たな問題を解決し未知のパターンを認識することに関わる能力で、反対は結晶性知能です。

結晶性知能は個人が長年にわたる経験から獲得していく知能、定着されている知能です。

40才頃から流動性知能は低下する傾向にありますが、結晶性知能は反対に経験値が上がることにより安定しており、流動性知能の低下を補う役割を果たしています。

この流動性知能を保つことができればより認知機能の低下をより防ぐことができるということになります。

高年齢者(シニア層)の実証研究

1,787人のシニア層(調査完了時に46歳から77歳)男女を対象に49品目の摂取量と流動性知能の関連性を、2006年から2016年の10年間にわたり追跡調査しました。

【食品の種類】

新鮮な果物、ドライフルーツ、生野菜とサラダ、調理済み野菜

油性魚、赤身の魚、加工肉、鶏肉、牛肉、子羊、豚肉、チーズ、パン、シリアル

紅茶、コーヒー、ビールとサイダー、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワイン、リキュール

チーズとサラダ

  

研究から導きだされた発見(抜粋)

  • 赤ワインの毎日の消費は認知機能の改善に関連している
  • チーズは流動性知能の低下という問題に対して、最も保護的な食品である
  • 仔羊肉(ラム肉)の摂取は他の赤身肉よりも認知能力の改善に関連している
  • 塩分の摂取量が高くなると効果が相殺されてしまう

そして、日頃私たちが口にしている赤ワインとチーズの組み合わせは、認知機能アップに相乗効果があるということがわかったのです。

ワインの摂取量には注意が必要です

1日グラス3-4杯が適量

いくら赤ワインとチーズが流動性認知機能を保つことに効果があるといっても取ればいいというものではないようです。

研究チームは摂取量には適量があり、1日グラス3-4杯が最適量で、毎日の飲酒でその量を超えると、今度はアルコール摂取の障害によるリスクが増加するとのことですので注意が必要です。

適量のグラス3-4杯を守り、赤ワインとチーズを健康的に楽しみたいですね

ワインを囲むテーブル

健康によいワインと食材については、今後もご紹介していきます。

この記事はお茶の水健康長寿クリニック院長、医学博士の白澤卓二博士の米国アイオワ州立大学の研究報告についての考察レポートを引用しました。

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